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残価設定ローンのメリットとデメリット

      2018/06/11

「月々の支払いが楽!」

という触れ込みの残価設定ローン(残クレ)ですが、本当にお得なのか疑問が残りますよね。

そこで今回は、残価設定ローンのメリット、デメリットをご紹介したいと思います。これから残価設定ローンを組もうかどうか悩んでいる人は、参考にしてくださいね。

残価設定ローンとは?

間違っている人も多いので、念のためおさらいしておきます。

残価設定ローンとは、3〜5年後に車を手放す前提のローンのことです。

車両価格から手放すときの下取り価格(残価)を差し引いて、残りの分をローンにします。

もし3年後に下取りに出せば、購入価格の40〜50%くらいにはなるので、約半額で新車を購入できるわけです。

200万円の残価設定ローンの場合

もう少し具体的に説明すると、たとえば200万円の車を購入したとします。

3年後の下取り価格が100万円と設定されたら、残りの100万円を3年ローンにするのが残価設定ローンです。

そして、ローンの支払い最終回(36回目)に、

  • 車を売却して乗り換える
  • 残りの支払い分を一括で支払う(例だと100万円)
  • 残りの支払い分をもう一度ローンを組み直す

の3つの選択肢から選ぶことになります。

残価設定ローンのメリット

  • 月々の支払いが安い
  • 残価が保証されている
  • 次々に新車に乗れる
  • 3年で乗り換えるなら車検代がかからない

それぞれ解説していきますね。

月々の支払いが安い

残価を引いた分しか返済していかないで済むので、月々の支払いが安くなります。

200万円の車を残価設定ローンと通常ローンで比較した場合、月々の支払い額は次の通りです。

金利は3.9%、返済期間は3年、ボーナス支払いなし、残価は100万円として概算しています。

種類 金利 月々の支払い額 残価
残価設定ローン 3.9% 33,611円 100万円
通常ローン 3.9% 58,959円 0円

あくまで目安ですが、上記の通り残価設定ローンの方が毎月の支払いが楽になります。

残価が保証されている

これは、

「最初に設定した残価(買い取り額)は保証しますよ」

というものです。

3年後の残価を100万円と設定したら、たとえ市場価格が半分の50万円だったとしても、100万円で引き取ってくれます。

要するに、車の価値が大きく下がっても安心できるわけです。中古車の価値は、何がきっかけで変動するかわからないので助かると思います。

次々に新車に乗れる

車を手放す前提なので、月々の支払い額をおさえつつ、3〜5年で次々に新車に乗れます。

しかも、タイヤなどの消耗品や経年劣化していくパーツの修理費用が、長く乗る人よりも少なくなる可能性が高いメリットもあります。

3年で乗り換えるなら車検代がかからない

新車だと最初の車検は3年目になります。車検代といえば、約10万円はかかるので安い出費とは言えませんよね。

もし3年で次々に乗り換えれば、この無駄に高い出費をおさえることができます。

残価設定ローンのデメリット

  • 利息が多くなる
  • 走行距離の制限がある
  • カスタマイズができない
  • 傷、凹みなどがあると追加料金が発生する

それぞれ解説していきますね。

利息が多くなる

重要ポイントです。金利は残価を差し引いた分だけじゃなく、車両価格の総額にかかります。

200万円の車を残価設定ローンで購入し、残価を引いた残りの100万円を支払っていくとします。

このとき、残りの100万円に金利がかかると思うかもしれませんが、総額の200万円分に金利がかかってきます。

ということは、元金が減るスピードが遅い(月々の支払い額が少ないため)ので、残価設定ローンの方が利息が大きくなります。

走行距離の制限がある

残価設定ローンを組むとき、「3年で○万km」といった感じで、あらかじめ走行距離が決められます。

これは数年後の残価を維持するためと思ってください。

もし設定した走行距離をオーバーしてしまった場合、距離に応じた追加料金を支払わなければなりません。

メーカー、車種によって異なりますが、だいたい1kmオーバーするごとに5〜20円かかります。

この制限があるせいで、遠出をしてくても気持ちにブレーキがかかってしまい、心から楽しめなくなるかもしれません。

カスタマイズができない

原則として、購入したときの状態のままで返却しなければいけません。

純正品以外でドレスアップした場合、自分で元に戻すか、別途で費用を請求されます。

また、傷や凹み、タバコの臭いなどがあると追加料金が発生することもあります。

なので、どこか借り物のような感覚もあり、乗っていて気を使うと思います。

残価設定ローンはこんな人に向いている

お得なのか損なのかわかりづらいと思いますが、3〜5年後に乗り換えるなら向いています。

もしローンの最終回に残価を支払うか、ローンを組み直そうと考えているなら向いていません。乗っていて気に入ったとしても、売却する気持ちが必要です。

これが前提条件で、

  • 少々利息が多くなっても毎月の支払い額をおさえたい人
  • 改造もしない人
  • 年間の走行距離が1万kmもいかない人

には助かるローンだと思います。

まとめ

残価設定ローンのメリットは、

  • 月々の支払いが安い
  • 残価が保証されている
  • 次々に新車に乗れる
  • 3年で乗り換えるなら車検代がかからない

です。

デメリットは、

  • 利息が多くなる
  • 走行距離の制限がある
  • カスタマイズができない
  • 傷、凹みなどがあると追加料金が発生する

です。

残価設定ローンは、買い替える前提なら悪いローンではないと思います。数年後なんてどうするかわかんない、と思うなら気兼ねなく乗れるマイカーローンをおすすめします。

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